我楽多三昧の備忘録

MFJ製のRFインピーダンスアナライザーMFJ-259B

mfj259b

・構成
1.8~170MHzまでの可変周波数発信器、周波数カウンター、RFブリッジ、8Bitマイコンの4つのユニットで構成されています。
アンテナ、インピーダンス測定、ケーブルロスなど広範囲にわたり測定できます。
・周波数範囲:
1.8MHz~170MHz
1.8-4MHz
4-10MHz
10-27MHz
27-114MHz
114-170MHz

・電源
DC12V駆動で乾電池で使用できるのは屋外で使用に便利です。
単三乾電池10個
又は外部電源でも可(11V~18V、150mA)・・・2.1mmDCプラグ 2分間操作しなければ、パワーセーブモードに入り電池の消費を抑えることが出来ます。(消費電力は15mAにダウン)

代表的な使用例

①アンテナのSWR、インピーダンス、リアクタンス、抵抗、共振周波数、帯域幅測定
②アンテナチューナーのSWR、帯域幅、周波数測定
③同軸給電線のSWR、長さ、短縮率、Qと損失、共振周波数、インピーダンス測定
④フィルターのSWR、減衰量、周波数範囲測定
⑤マッチングスタブのSWR,Q,共振周波数、帯域幅、インピーダンス測定
⑥トラップの共振周波数、Q測定
⑦同調回路の共振周波数、Q測定
⑧小容量コンデンサの容量、自己共振周波数測定
⑨RFチョークの自己共振周波数、直列共振の値測定
⑩送信機、発信器の周波数測定

特に注意すること

アンテナ端子にいかなる高周波あるいは外部電圧を印加してはいけない。ゼロバイアス・ダイオードを使用しているため簡単に破壊します。

アンテナに帯電する静電気を除去するため、ケーブルを接続するときは、芯線と外被をショートさせた後接続すること。

精度について

安価なインピーダンスメータには限界があり、その共通問題と発生原因には次のようなものがあります。
1.測定誤差・・・信頼性を悪くする計測には3つの根本原因があります
①外来電波の進入 (強力なAM放送局など)
②ダイオード検波器、ADコンバータの誤差
③コネクター、接続部分、給電線のインピーダンス

2.多くの廉価版インピーダンスメータには、コストのため広帯域検波器が使用される。狭帯域検波器は非常に高価で、一般的なユーザー向けではありません。
広帯域検波器は帯域外の外来ノイズに高感度で、帯域外ノイズによる妨害の解決は簡単ではありません。
LowPassFilter、BandPassFilterは異なる周波数でインピーダンスが変化する伝送ラインのような振る舞いをします。LowPassFilter、HighPassFilterは伝送ラインが追加されたようにインピーダンスとSWRを変化させてしまう。このフィルターによるインピーダンスの変化が使いやすさに限界をもたらします。
この問題を解決する1つの方法は、よく言われるように、内部発信器のパワーを上げることでが、より多くのバッテリーが消費されます。このユニットのトータル消費電流(150mA)の70%は低高調波歪のテスト信号を発生させるのに使用されています。
強力なAM放送の信号は、160mバンドのバーチカルアンテナような大きなアンテナに良く結合するため、RF妨害問題の多くは、低いバンドで発生します。
MFJは全ての帯域外周波数を減衰させる可変フィルターの使用を提案しています。このフィルターを適切に使用することで、目的とする測定にほとんど影響を与えないで、外来妨害を減衰させることが出まする。

3.部品の限界が不正確さのもう1つの原因
ダイオード検波は微小電圧領域ではノンリニアーです。
MFJ-259Bはマッチング補償ダイオードに特殊なマイクロウェーブ用のゼロバイアス・ショットキー・ダイオードを使用することで精度を高めています。
それぞれ独立して補償されているユニットにより、高低両側の負荷インピーダンスにおいて最適なリニアリティーを確保しています。そしてADコンバータの限界分解能を1/2にしています。

4.もう1つの問題が接続ケーブルの長さです
特に、インピーダンスが非常に高い又は低い場合において、ブリッジを構成する部品とブリッジ、ブリッジと出力コネクター間の接続ケーブルの長さが計測誤差を生じさせます。
MFJ-259Bは、ほとんどリード長ゼロの面実装用の低容量マイクロウェーブ用部品を使用することによりこの問題を最小にしています。
もし、機器が正しい値として信頼の範囲を超える計測をした場合、MFJ-259Bは警告表示します。
もし(Z>650)と表示した場合はインピーダンス、650Ω以上であり信頼の範囲を超えている。

単一アンテナの調整

多くのアンテナはエレメントの長さを換えることにより調整します。
自作アンテナの多くはシンプルなバーティカル・アンテナやダイポール・アンテナが多く、これらの調整は比較的簡単です。

・ダイポール

ダイポールは平衡型アンテナである為給電点にバランを入れて使用します。
バランは同軸を数インチ直径に数回巻いたようなもの簡単ものとか、フェライトコアに多重巻きした複雑なものでも良い。
ダイポールの地上高は、周囲環境と同じく給電点インピーダンスやSWRに影響を与えます。
50Ω同軸を使った多くの架設では、代表的な高さであれば、SWRは1.5以下になります。
一般的には調整可能なものはダイポールの長さのみである。長すぎれば共振点は低くなり、短すぎれば共振点は高くなる。 
アンテナと給電線のインピーダンスがあっていないときは、給電線の長さが給電点インピーダンスに変化を与えます。
50Ωケーブルの品質がよければ、給電線が長いために僅かに減少することを除いては、SWRは一定の値を維持します。
ある周波数において、給電線長さにより、SWRが変わるのであれば、給電線にアンテナに非同調のコモンモード電流が存在するか、又は給電線が真の50Ωでないのかどちらかである。 
コモンモード電流はバランがない場合とか他の設置ミスなどにより発生します。

・バーチカル

バーチカルアンテナは通常、不平衡アンテナです。
多くのアンテナメーカーは接地型バーチカルアンテナには良いラジアルシステムが必要であるということを重要視していません。
良質な接地によって、直接給電タイプの1/4波長バーチカルのSWRは2以下にできます。 
グランド性能が悪ければSWRは上がります。
バーチカルの調整はダイポールと同じです。

・単一アンテナの調整

SWRが表示できモードにする(どんなモードでも良い) 
50Ω同軸ケーブルにより給電されたアンテナの調整は以下の手順でできます。
①一時的にケーブルの芯線と外被をショートさせから、給電線をMFJ-259Bに接続する。
②目的も周波数に合わせる。
③SWRを読む、そしてSWRが最小になるよう周波数を調整する。
④その時の周波数を読み、その値を目的周波数で割る。
⑤現在のアンテナ長に④で得た結果を掛ける。 この値が実際に必要なアンテナ長さに近い値です。
*注意
この調整法はローディングコイル、トラップ、スタブ、キャパシタンス・ハットなどがない、フルサイズダイポールやバーチカルアンテナにのみ適用できます。
これらのアンテナは、取説にしたがい、MFJ-259Bで測定しながら、SWRが設計値になるまで調整するようにします。

スタブと伝送系の試験と調整

どんなスタブ、伝送系の共振周波数でも測定できます。
Mainメニュの起動直後のモード選び、被測定スタブをアンテナ端子に接続します。
*注意
1/4波長(の奇数倍)スタブの場合は、遠端を開放にし、1/2波長(の整数倍)スタブの場合は遠端を短絡させなければなりません。
平衡線を使う場合は内部バッテリーで駆動すること。そして他の導体や地表から数フィート以上離すこと。また給電線以外の線材にユニットを接触させない用にします
平衡線の一方はアンテナコネクターのシールド側に、他方はセンターピンに接続します。
2本の平衡線は金属、地表から数フィート離してまっすぐ吊り下げます。
同軸ケーブルの場合は、巻いて床に積み上げても良い。
電源は内部、外部どちらも使用できる。本体を金属の近くに置いても悪影響はありません。

調整方法は以下のとうりである。

①スタブ/給電線の目的とする周波数と理論的長さを決めます。
②計算値より20%長くカットし、1/2波長(の整数倍)スタブの遠端をショート、1/4波長(の奇数倍)スタブの場合は遠端をオープンのままにします。
③抵抗値およびリアクタンス(又はインピーダンス)が最小となる周波数を測定します。
微調整のために、”X=?”表示をみる。そしてX=0又はそれに出来る限り近づくように調整します。
もし全てが長さ計算で計画したように動作しているなら、周波数は目的の周波数よりも20%低くなっているはずである。
④”X"が最小となる周波数を読取り、それを目的とする周波数で割ります。
⑤求める長さを得るために、④の結果にスタブの長さを掛けます。
⑥前⑤で計算した長さにスタブをカットする。そして目的周波数で”X”が最小になることを確認する。

バランの試験

バランハ50Ωアンバランス側をMFJ259Bノアンテナ端子につないで試験することが出来ます。
バランは2つの同じ値の負荷抵抗で終端します。
そして負荷抵抗の合成抵抗はバランのインピーダンスと同じでなければなりません。
たとえば、50Ω入力の1:4の場合2組の100Ωカーボン抵抗が必要です。
ジャンパー線をA点からB点に移しながらSWRを測定します。

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適切に設計された電流バランは電流のバランスを維持するために最も効果のあるタイプです。
それは使用部品に対し、耐電力能力が高く低ロスである。そしてジャンパーがどのポイントにあっても、バランの動作範囲全てにおいて低いSWRを示します。
良く設計された電圧バランはジャンパークリップがB点にあった場合、全動作範囲にわたって、低いSWRを示します。
そして、A点、C点にある場合は高い値を示す。また、A点とB点の場合のSWRはおよそ等しいはずである。
電圧バランはまた、2つの抵抗の接続をはずして、2つの抵抗をパラに接続しテストすることが出来ます。
バランが適切に動作している場合には設置された抵抗をアウトプット端子のいずれにショートさせてもSWRは低い値を示します。

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