我楽多三昧の備忘録

FT-1000MP MkVでFT8モードを運用

FT-1000MP Mk V

デジタルモード

PCのサウンドボードを活用するデジタルモードでの運用が多くなりました。
特に、FT8なるモードを導入して以来、運用の90%以上がデジタルモードで運用しています。
気になるのが、ファイナルの耐久性、JT65の運用局でファイナルアンプが壊れたという話を何回か聞きました。
FT8はJT65に比べると1QSOでの送信時間は1/4程度で済みますが、SSBの音声変調よりもファイナルに対する負荷は確実に大きくなります。
ファイナルにPhilips の Power MOSFET(BLF147)をプッシュプル構成で使用するFT-1000MP Mark VはFTDX3000Dに比べ余裕が大きいため、FT8モードの主運用機にしようと思いセットアップしました。

全体の構成

・現在のFTDX3000Dと切替えて(併用)運用します。
FT8モードでは、余裕のあるFT-1000MP MkVをメイン機にFTDX3000Dを予備機的に使用します。

・場所的に余裕がないためPCは1台とします。
REGZA PC D813/T8JB(i7-3630QM 2.4GHz Mem16GB) ・・現在FTDX3000Dと接続、使用中のもの。

・使用ソフトはWSJT-Xを使用します。 (選択肢はあまりない)
FTDX3000D用設定とFT-1000MPMkV用設定をConfigrationを切り替えることによりWSJT-Xを共有します。
同時使用は出来ません。共有することにより、ログも一元化でき好都合。

・インターフェースは出来るだけシンプルにするという目論見でセットアップします。

シリアルインターフェース

・FT-1000MP MkV側は、CAT端子(Dサブ9P)で接続
・PC側はUSB->USB=RS232C変換ケーブルで接続します。
変換ケーブルにはProlificのPL2303チィップが使用されていますが、
チィップのバージョンによってはWin8.1をサポートしていないようです。
バージョンは、よくわかりませんがうまくインストールされました。
デバイスマネージャーを開き、インストールされたCOMポート番号を確認しておきます。
USBポートを変更して接続した場合は、COMポート番号も変更される場合がありますので要注意です。

これでリグ制御(周波数とモード)とPTT制御を行います。
ケーブルの両端にコモンモードフィルター(パッチンフィルター)を挿入します。
CAT接続時に原因不明の接続エラーに悩まないで済むように、しっかりと対策しておきます。

オーディオ入出力

FT-1000MP MkV側はPATCH端子(入力)、AF OUT(出力)を使用します。
Packet端子(DIN5P)を使えば結線が少しすっきりしますが、持ち合わせのDINプラグがないためやむなく。

PCへのオーディオ入出力は「USBオーディオディバイス」を介して行います。
安価なものでOKです。ドライバーも自動でインストールされます。(Win8.1)
デバイスマネージャーで「オーディオの入力と出力」のカテゴリーを確認します。
私の場合「USB Audio Device」というデバイス名で認識されています。
WSJT-Xの設定で必要ですので、このデバイス名を覚えておきます。
特に、サウンドディバイスが複数ある場合は、WSJTで使用するディバイスを間違わないように確認しておきます。 もちろん、PCのマイク端子、ヘッドフォン端子に直接接続すればいいのですが、これらの端子が占有されてしまうことに抵抗がありましたので、あえてUSBからの入出力を選択しました。

これで、インターフェースは完了です。次にWSJT-Xの設定を行います。

WSJT-X

現在FTDX3000Dで運用しているVer1.91をそのまま使用します。
1)Configrations
WSJT-Xを立上げ、メニュー の「Configrations」⇒「Default」⇒「Clone]を選択すると、Default Configのクローンが出来ます。
Configrations⇒Cloneを選択し「Rename」します。(ドロップメニューから)(EX:FT-1000MP MKVにリネーム)
これでFT-1000MP MKV用のConfigが出来ましたので、これから設定していく値はここに記録されます。

2)Settings Radioタブ
F2を押してSettingsパネルを出し、「Radio」タブを選択します。
Rig:は「Yaesu Mark-V FT-1000MP」を選択
Serial Port:は前記「シリアルインターフェース」の項で確認したCOMポート番号を選択します。
その他の項目は、次のように各値を設定します。

設定が完了したら、「Test CAT」ボタンをクリックし、ボタンが「緑色」に変わればOKです。
続いて「Test PTT]をクリックし、ボタンが「赤色」になりリグが送信状態になることを確認します。
CATの確認がNGの時は、設定値の再確認、RS232Cケーブル結線状態、COMポートなどを再確認します。
また、周波数読み取りエラー(Hamlibエラー)が出る場合は、232Cケーブル、USB変換ケーブルなどのノイズ対策を確認します。
ノイズでシリアル通信が失敗することがあるようです。

3)Settings Audioタブ
Audioタブを選択し、オーディオ信号の入出力に使用するサウンドデバイスを指定します。

合わせて、上記指定したデバイスが、Windows上で再生デバイス、録音デバイスとして有効になっていることを確認します。

運用

 WSJT-Xを立ち上げます。
メニュー⇒ Configrations ⇒ FT-1000MP MKVの頭に黒丸がついていることを確認します。
ついていない場合はFT-1000MP MKVにカーソルを合わせ「Switch to」を選択します。
これで、FT-1000MP MKV用の設定になります。

 WSJT-Xでは入出力レベルの調整が不可欠です。
タスクバーのスピーカーアイコンを右クリックし上でサウンドパネルを出します。
該当するデバイスをダブルクリックするとデバイスのプロパティーパネルが出ますのでそれぞれレベル調整をします。
「録音」タブで、入力レベルを調整(WSJT-Xウインドウ上、左のレベルメータが緑色の範囲になるよう)
「再生」タブで、出力レベル調整(リグのALCがメータが振れない範囲に)調整します。

参考資料

サービスマニュアル

テクニカル オーバービュー



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