我楽多三昧の備忘録

Cushcraft R7 Vertical antenna R7設置・運用

Cushcraft R7 Vertical antenna

Cushcraft R7を入手(もちろんUsed)したので組み立て、設置しました。非常に古いアンテナですが、作りはしっかりしていてまだまだ使えそうです。
このアンテナは40mから10mバンドまで、WARCバンドを含めて対応しており、手軽にHFにQRVできます。
電気的長さは各バンド半波長の長さになっており、ラジアル線、カウンターポイズは不要で、狭い敷地にも設置可能です。
またバーティカルアンテナの特性として打上げ角が低いのも魅力です。
動作原理はよくわかりませんが、電気的長さが半波長ということは電圧給電のEnd Feedタイプだと思われます。
マッチングボックスを開けてみました。フローティングバランとインピーダンス変換コイルが入っています。

 

スペック

バンド:10,12,15,17,20,30、40m
ゲイン: 3dBi
耐電力: 1800W pep
打上げ角: 16°
長さ: 6.9m
受風面積: 0.21m^2
重量: 5.6kg

設置場所とマスト

設置のしやすさ、周囲に障害物があまりなく、生活に邪魔にならない場所として、コンクリート塀に沿わせて立てることにしました。
隣との境界のブロック塀ですので、三方向は我が家の敷地ですが、一方向は隣地のためステーが張れないのが難点です。

マストはΦ48.6mmの足場鋼管(2m)を使います。
予め、ブロック塀に穴をあけ(2か所)マスト支持金具を上下2個、ボルトで仮止めしておきます。ボルト1本で固定しますので、緩めればクルクル回転します。調整の時はブロック塀に沿って倒すことができ便利です。

上下マスト支持金具の取り付け用の穴は適当に約30cmスパンで開けましたが、少し短かく安定感がないのでもう1ブロック下に開けなおす予定です。

組み立て、設置の注意点など(マニュアルから抜粋)

・R7の動作中、人やペットがアンテナのどの部分(ラジアルロッドも含め)にも触れないようにしなければなりません。
・TVアンテナや給電線からできるだけ遠ざけること
・地上2.4m以上、周囲の建造物から7.5m以上の距離をとること
・高SWRの原因として、マッチングネットワーク、ラジアルロッドの接触不良が考えられる。腐食、締め付け緩みなど確認する
・カウンター

組み立て

マニュアルの組み立て図に従って、ベースユニット(28MHz用)から順番に上に向かって組み立てます。寸法単位はインチとセンチが併記されているので換算の必要はありません。
マニュアルに記載されている寸法数値はアンテナを地上高2.4m、周囲7.5m内に建造物などがない場所に設置することを想定した数値です。
これに合致しない場合は再調整が必要かもしれません。

参考:R7インストラクションマニュアル

私の場合、地上高はほぼ合致しますが、周囲にコニファーがあり微妙なところですが、マニュアルどうりの寸法で組み立てました。
最後の7MHz用のパイプの長さ調整はCW、Center、Phoneの3つの寸法の中から選択しますが、とりあえずCenterを選択しました。

7本のラジアル(?)は設置後に取り付けます。(脚立で給電部の作業は可能)

ベース

 本体組み立て2

設置

組み立てが完成したら、再度寸法関係の点検を行います。
仕様どうりの寸法になっているのを確認し、本体を、鋼管マストに差し込みますが、ここが、設置作業の山場です。マストは予めブロック塀に仮止めしてあるマスト支持金具に斜めに差し込んで置きます。
そのマストに本体を斜め上から差し込みます。そしてマストを垂直に立て直し、次に、マストを少し持ち上げ、下部マスト支持金具に差し込みます。

後は、マストを所定の位置まで引き上げ、支持ボルトを締め固定すれば完成です。給電部の地上高は約2.5mです。この高さだと人が歩いても、ラジアルにタッチすることはありません。
隣地への転倒を防止するため、常時、ステーを1本張っておきます。
1人で作業しましたが、1日で完了しました。

ラジアル

 完成2

R7のベースと鋼管の径が同じなので差し込めません。中継パイプで繋いでいます。

ジョイント

調整

調整は、本体各ユニットの差し込み長さを調整して行いますが、設置した状態では行えません。調整が必要になれば一旦、倒して行います。
仕様書どうりの寸法関係でどんな状態になっているか各バンドの主だったポイントのSWRを測定してみました。
マッチングボックスは調整の必要はなく、ただ同軸ケーブルをつなぐだけ。約25mの5D2Vでシャックまで引き込みます。 不安はありましたが、まずまずの値に収まっており許容できる結果です。
7MhzはCWとCenterの中間に設定(現在=Center)すればCWもFT8も運用できそうです。

SWR

後日、ローカルのOMからRigExpertのアンテナアナライザーを借りて俯瞰的に測定しました。

SWR特性グラフ

テスト運用

さっそくテスト運用をしてみました。
トランシーバー:FT-1000MP MarkV、出力:100W 運用モード:FT8

WSJT-xで数時間運用してみました。その時のログデータ

2021-03-01,09:39:15,N9AMI,DM19,7.075821,FT8,-11,+00,
2021-03-01,13:39:30,VK6MIT,OF78,7.075606,FT8,-06,-11,
2021-03-01,13:41:45,K2AK,DM41,7.074772,FT8,-09,-17,
2021-03-01,13:47:30,UW8SM,KN28,10.136902,FT8,-11,-12,
2021-03-01,13:52:30,NA6MG,DM04,7.075201,FT8,-09,-14,
2021-03-01,14:01:45,YC8GLW,OI94,7.074758,FT8,-08,-19,
2021-03-01,14:03:45,OH6RX,KP03,7.074637,FT8,-03,-16,
2021-03-01,14:06:00,VK3BDL,QF22,7.075001,FT8,-07,-10,
2021-03-01,14:10:00,RA6GW,LN14,7.075830,FT8,-06,-05,
2021-03-01,14:12:30,NO7T,DM41,7.075830,FT8,-02,-13,
2021-03-01,14:15:00,N3FAA,DM04,7.074647,FT8,-21,-12,
2021-03-01,14:45:45,3D2TS,RH91,7.075054,FT8,-11,-15,
2021-03-02,00:45:30,W7OK,CN86,14.074744,FT8,-11,-16,
2021-03-02,00:47:30,BG5BRG,PL08,14.074744,FT8,+10,-06,
2021-03-02,00:50:45,VK6AS,OF77,14.075006,FT8,-15,-09,
2021-03-02,00:52:45,BD6IF,OM64,14.075006,FT8,+02,-20,
2021-03-02,00:56:15,JA4CZM,PM64,14.076106,FT8,+09,+05,
2021-03-02,00:58:30,K8TE,DM65,14.076106,FT8,-16,-09,
2021-03-02,02:46:30,WL7CG,BP61,14.075981,FT8,-11,-03,
2021-03-02,06:00:45,YB9KA,OI81,24.916594,FT8,-16,-15,
2021-03-02,06:02:30,DV2SXB,PK06,24.916144,FT8,-17,-03,
2021-03-02,06:49:45,9A9A,JN75,14.075201,FT8,-16,-20,
2021-03-02,06:53:00,OH3FM,KP21,14.075887,FT8,-14,-14,
2021-03-02,07:40:45,ZL1LC,RF73,10.137773,FT8,-07,-10,
2021-03-02,14:55:45,9W2YGF,OJ03,7.074707,FT8,-17,-12,
2021-03-02,14:57:45,BH4BNQ,PM01,7.074707,FT8,-16,-05,
2021-03-02,14:59:30,BX6ABV,PL02,7.074669,FT8,-17,-15,
2021-03-02,20:52:00,US2YW,KN28,7.075949,FT8,-08,-14,
2021-03-02,21:17:15,CX1FK,GF15,7.074800,FT8,-17,-17,
2021-03-02,21:37:45,LU4EFC,GF13,7.075182,FT8,-12,-14,
2021-03-03,05:38:00,UN7GBX,MN83,21.075173,FT8,-17,-15,
2021-03-03,07:42:45,BH1VCK,OM89,14.075944,FT8,-06,-05,

定量評価は出来ませんが、感触は悪くありません。ルーフタワー上の730V-1と比べ同等以上と思います。地上高が低い割には飛んでいきます。
(18MHzはうっかり忘れていました。28MHzは短時間Watchしたが聞こえていませんでした。)

気になること

一番気になるのは、やはり風です。テスト中も1~2mの風が吹いていましたが、R7の上部は結構揺れていました。自立タイプのアンテナですが、強風に備えてのステーは必要です。
設置場所が、隣地との境界のため、3方向にうまくステーがとれません。ローカルのOMからアイデアをいただきましたので、強風時、3方向にステーがとれるよう工作します。

ステーをとる

設置しましたが、気になるのは、やはり風です。テスト中(設置時)も1~2mの風が吹いていましたが、R7の上部は結構揺れていました。自立タイプのアンテナですが、強風に備えてのステーは必要です。
設置場所が、隣地との境界のため、4方向にうまくステーがとれません。ローカルのOMからアイデアをいただきましたので、強風時、4方向にステーがとれるよう工作します。

ということで、強風対策をしました。
一旦、アンテナを倒し、事前に準備していた自作デベリングを取り付け4方にクレモナロープでひっぱただけです。

自作ステーリング

市販のステー取付器具を購入すれば簡単ですが、暇に任せて廃物利用でプラスティックを加工しました。
何者か定かではありませんが、エアコン穴のキャップと思われる円形プラスティックを利用し、穴あけと塗装をしました。

・ステーリング外形:110mm
・内径:26mm
・ステーロープ用穴径:6mm x 4個

取付位置は20m用トラップの上のφ1インチパイプ部分にしました。

リング

足場管利用でステー1本を保持

設置場所の関係で1方向は隣の空き地になりステーが張れません。2mの足場管と直交継手を利用し、台風などの強風のときのみ空き地の方向に突き出し、平穏時ブロック塀の上に収めて置くようにしました。

ステーロケーション

突き出しポール

突き出しポール2

ステー

ステー

完成後の全景

ステーなしの時は1~2mの風でも結構揺れていましたがいましたが、いくらか揺れ幅が小さくなりました。
これから、台風の洗礼を受けますが、どの程度まで耐えれますか???・・・

ステーをとった全景

Cushcraft R7 SWR

Cushcraft R7 Vertical antenna

全体SWR

 

40m

  40mSWR

30m

  30mSWR

 

20m

  20mSWR

17m

  17mSWR

 

15m

  15mSWR

12m

  12mSWR

 

10m

  10mSWR

 

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